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『イゴールの約束』のイゴールを演じたジェレミー・レニエが立派な大人になってダルデンヌ兄弟の映画に帰ってきた。と思ったらどうしようもない青年。その場しのぎの短絡思考。困ればとりあえず妻のいるアパートへ行く。行ってどうなるわけでもないし、実際妻には会えないのだが何度も行く。要するに子供。根は悪い奴ではない。それは仲間の少年の足を必死でさする姿にも見て取れる。この映画はけして「大人になれない子供」の原因を追究してはいない。しかし孫が出来たというのに喜ばない青年の親から想像させるものは、生きるだけで精一杯の社会の底辺の実情である。ダルデンヌ兄弟は常に社会の底辺を撮る。そしてドキュメンタリー映画以上の現実の露呈を試みる。それが彼らの映画である。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-02 14:19:53)(良:1票)
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