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ヌードモデルとして服を脱がせてゆくところにしてもチュッチュチュッチュとキスするところにしても布団の取り合いにしても、はたまた好きな男が自分ではなく別の女とラブラブなのをつまらなそうに傍観する女も、その女を好きな男がさらに遠慮しがちに見守る視線にしても実に生々しい。生々しいのだけど、それらはけしてリアルだから、自然体だから生々しいのではなく、むしろ反対に、一見恋人同士にしか理解できないような内々のラブラブをカメラの前で女優と男優が恥ずかしげもなく、いや、恥ずかしさが微妙にあるからこその生々しさであり、けしてユリとみるめの恋愛が生々しいのではなく、ユリを演じる永作とみるめを演じる松ケンの擬似恋愛が生々しい。そして、えんちゃんではなく蒼井、堂本ではなく忍成の立ち振る舞いが生々しいのだ。この、演技ではなく俳優たちの素が出ているような感じは井口監督の前作『犬猫』にも言えるのだが、演じるものが「恋愛」になることでより生々しさがわかりやすく画面にこびりついているような気がする。ドキドキした。こういう偶然撮れちゃったような奇跡的な画を意図的に普通に撮っちゃうってのが凄い。
【R&A】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-04-10 11:45:15)(良:1票)
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