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私にとってのジェームズ・ボンドはロジャー・ムーアだった、というか「007」を大いに楽しんだ小学生から中学生の間ジェームズ・ボンドだったのはロジャー・ムーアだったんですが、やっぱりボンドはショーン・コネリーでしょ、とか言う大人たちの発言にショーン・コネリー版007に秘かに期待を膨らませてもいたわけです。おそらくはもっと本格スパイアクションだったのが回を進めるごとにお子様向けとまでは言わないが娯楽度が濃くなっていったのだろうと。と思って見たのが失敗だったのか。殺し屋三人組の淡々とした仕事ぶりが「本格」の期待を裏切らないオープニングを飾ってくれたが、ボンドのキャラは現実離れしたダンディさを纏い、ムーア版を超えるフェロモンをプンプンとさせて「本格」の「ほ」の字も見当たらない。ボギーをスケベにしただけじゃないか。しかもドクター・ノオのアジトへ入るとSFの世界が広がる。1962年という年代を考えればこのSF的展開こそが観客を興奮させたことは間違いないだろうし、ダンディなスケベというキャラもまた観客を魅了させたに違いない。そして子供時代に映画の楽しさを教えてくれた「007」の原型がここにあることも納得したうえで、やっぱり見せかけ重視の映画って古びるなあと。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-05-11 18:31:19)
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