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ミャンマー政府を非難したものでもなければ軍事政権を非難したものでもない。勧善懲悪の悪として登場できれば敵は誰だっていいのだ。これはランボーが戦場で敵を殺しまくる映画なのだから。しかしシリーズを締めくくるにあたって「戦争とは」という問いに対するある一つの答えを用意している。戦争とは・・・人殺しである。戦争では自国が善であり敵は悪なのだ。この作品は敵を悪と強調したうえで敵を殺しまくるのだが、その死に様が凄まじい。生きていた者が肉片と化す。動いていた者が止まる。その瞬間、悪である敵もまた人間なのだと思わされるのだ。さらに今回ランボーは誰の命令でもなく自らの判断でこの殺戮を行う。しかも実に個人的な理由で、と言っていいだろう。戦争において兵士は上官の命令で人を殺す。もっと言うとその人殺しには国のため、あるいは正義のためという大儀を得ている。そのことで霞んでしまうもの、それが人を殺しているという事実なのだ。この映画はイヤというほど戦争が人殺しであることを見せ付けている。こんなにも惨いことを国家が国民に強いるのが戦争なのだ。反戦ベースの1作目とシリーズの流れを加味すれば順当な帰結と言えるかもしれない。
【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-10-15 16:26:58)
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