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『監督・ばんざい!』でも触れたが『TAKESHIS’』公開時の監督の談ではまず『TAKESHIS’』で俳優をぶっ壊し、次の作品で監督をぶっ壊し、最後に映画そのものをぶっ壊すと言っていたように思う。この『アキレスと亀』という作品がはたして「映画の破壊」を表現しているのかは私には解からなかった。もしかしたら当初の考えからテーマを変更したのかもしれないけど、どちらにしても「三部作」の2作目と3作目は私にとってつまらないものだった。たしかに少年期の落ち着いたカメラワークと昭和の背景の相性は抜群かもしれない。たしかに青年期の友人たちとのあれこれは貧乏青年にも青春があったのだと思わせる瑞々しさを描き出している。たしかに中年期の夫婦コントは大笑いさせてもらった。そしてたしかにこの映画にはなにやら「ものを作ること」の純粋な何かが描かれてもいる。でも『TAKESHIS’』にはあった魅力的な画が無い。ただその一点において私はこの映画を楽しめなかった。おそらくこの三部作は「北野武の映画史」においては重要な位置を占め、中でも『アキレスと亀』は最重要作品ということになるのだとは思う。
【R&A】さん [映画館(邦画)] 5点(2009-09-01 14:57:03)
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