| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 冒頭数分がめちゃ怖かった。爆弾をリモコンで爆破させようとする者がいないかを探す映像と、もしかしたら爆弾を爆破させようとしている人間の視点かもしれない防護服を着た処理兵をとらえた映像。こんな恐るべき緊迫がこのあとずっと続くのかと思うとうんざりするぐらいにドキドキした。で、爆破から逃れるために走る兵士。これだけ離れればアクション映画の主人公はTシャツ一丁でも間違いなく生きているのだが、この映画では宇宙服のような防護服を身に着けていても生き延びることができない。過酷だ。主人公はこの死んだ男と交代でここに現れる。ところが冒頭ほどの緊迫感はこの後訪れることはない。たしかに一人で爆弾までの長い道のりを歩いてゆくシーン、一つ解体したと思ったら芋のようにゴロゴロと出てくる爆弾、車体爆弾解体シーンの射撃班の視点映像などそれなりに緊迫するシーンはあるのだが、主人公の落ち着き振りが最低限の安心感をもたらしている。この落ち着きぶりがいわゆる「戦争は麻薬」というオープニングの言葉のとおり、生と死の狭間にいることを積極的に望む主人公ゆえということなのだろうか。わからないでもないのだが、ちょっともったいないようにも思う。砂漠地帯での銃撃戦はこの映画一番の見所でもあると思うんだけど、ここは顔に積もる砂とか動かない腕とかが映されて初めてその凄まじさが伝わってきたのだがそれでいいんだろうか。なんかここももったいないなと。任務明けまでのカウントダウンはうまい。危険と隣り合わせのNY市警を定年退職したあと生きがいをなくし自殺した男が登場した映画(フライシャー『センチュリアン』)や熊や狼に襲われるかもしれない世界でこそ生きていることを実感できることを綴ってもいた話(星野道夫「旅をする木」) と同様に主人公は生きていることを確認するためにまた戦場へと向かう。
【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-05-31 15:24:21)(良:1票)
R&A さんの 最近のクチコミ・感想
|