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《ネタバレ》 冒頭、広大なアイルランドの風景が映し出される。この映画が「馬の映画」であることもふまえれば当然のようにジョン・フォードが頭によぎる。しかし一向に(あきらかな)フォードらしい画や(あきらかな)フォード的展開は見当たらない。と思っていたら高地の荒地を耕す様に、おぉ『ヨーク軍曹』(ハワード・ホークス)だ!と。その後のフランス戦線の風景までもがそっくりだ。馬(ロバ)を買い戻すなんて件もあったりと、えらく『ヨーク軍曹』との共通点が多いのはやはりオマージュと考えていいように思う。そう考えると動物をからめたコミカルなシーン(少女の馬調教シーンやアヒルの攻撃)も少女がじゃじゃ馬なのもいかにもホークスだ。と、書いておきながらこの映画で真っ先に想起したのはディズニーの実写動物映画『三匹荒野をゆく』だったりする。動物が人のように思考し行動する様は往年のディズニー映画そのものだ。波乱万丈な馬の生涯の中で出会う様々な人物たちがわかりやすく顔が大写しにされることからも子供にも受け入れられる大衆映画たらんとしていることが伺われる。大人にとってはやや感動の押し売りが気になるも、映画ってそもそもそういうもんじゃんって気がしないでもない。ラストシーンは人間を見つめる馬の顔。母馬から引き離された馬はオレンジの空をバックに人間たちが見せる家族の絆をどう思って見つめているのだろう。と、大人思考で感慨にふけってみる。
【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-10-18 17:21:27)(良:1票)
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