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《ネタバレ》 80年代のロシアを現代としてそこから30年代の英国パブリックスクール時代を振り返る。というのが冒頭部。物々しく登場するインタビュアーが老いた主人公になぜスパイになったのかを取材しているのだから、当然その後の映画の舞台となるパブリックスクール時代にその答えがあるということになる。なかなかに興味を持たせる冒頭部なのだが、終わってみると、インタビュアーの質問から時代を遡ってゆくこと自体はいいのだがそこまでの物々しさは不必要だったんじゃないかと。物語はファシズムが頭をもたげようとする30年代。スクールに充満するブルジョア、エリート社会の内ゲバが描かれる。トップエリートを目指す主人公はゲイであることを暴露されて道を閉ざされる。簡単に言っちゃうとそんな話。スパイになった原因は、ファシズムの台頭、ブルジョアの退廃、そして自分を受け入れなかった社会への復讐。ならば冒頭の物々しさもありかもしれない。が、最大の理由は老いた主人公の部屋に飾ってある写真にある。共産主義者という異端者として堂々と生きる親友の存在があったからこそ主人公は逃げずに鞭打ちの罰を受けゲイという異端者として生きることを選んだのだと思う。共産主義に殉じた親友への純愛こそがスパイとなった理由。このあたりの多くを語らないさらりとした演出と冒頭部の物々しさが全く合わないように思ったのだ。冒頭部に合わせるなら多く語ったほうがいいし、さらりといくなら冒頭部もさらりといったほうがいいと思うのだが。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-06-17 16:48:41)
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