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《ネタバレ》 夜のシーンでもはっきりと顔を照らす光は月明りや街灯や教室から漏れる明かりであるように演出され全く不自然さを感じさせずに見せている。生涯、照明に拘った相米監督作品の中でも出色の出来。お話は相変わらずの子供の成長過程における葛藤。1人の無邪気な少女が一足早く大人の女へと移り行こうとする自分に戸惑い、わけもわからず家を飛び出し何もなかったかのようにそのことを受け入れるまでを台風によって表現する。すべての事柄を理論付けようとする大人びた少年はこの説明不可能で不可解な現象を無理やり理論付けようとした結果、窓から飛び降りる。もう1人の少年の異常行動を見ても、体がその変調をゆるぎない現実として見せてくれる女のほうがスッと受け入れてしまうのかもしれないと思った。自分の中だけで通り過ぎてゆき知らぬまに忘れてしまう通過儀礼・・自分にもあったんだろうなぁ・・と思う反面、あの男女半裸で踊る輪には入れなかっただろうなぁとませた少年時代を懐かしむ。もし輪に入ったとしても間違いなく前かがみで踊れない。
【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2006-08-23 12:56:11)(良:1票)
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