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モニュメント・バレーの訓練シーンは『バーティカル・リミット』のソレを遥かに凌駕するのだが、それはCGじゃないからってことだけじゃなく、その岩山の見せ方や広大なグランドキャニオンの見せ方が素晴らしいからでもある。アイガー北壁にしたって迎えのホテルからの雄大なアイガー全景が見事に、そして残酷に映されるから一層の緊迫感をもって描かれる。もちろん体を張ったイーストウッドが相変わらず痛々しい表情でアクションをこなしているということが面白さの前提にあるが、実に丁寧に映画を作っていることがうかがえ、それゆえの面白さが充満している。屋内シーンが冒頭の仲間の暗殺シーンにしても、あるいは主人公の家の地下、組織のトップの一切光を遮断した部屋も、とにかく暗がりが多く登場するが、もうこのときから監督イーストウッドの暗がりを撮る術は長けており、暗がりが作品を重厚にし、またモニュメント・バレーやアイガーの眩いばかりの開放感を助長している。なんだかんだ言ってもイーストウッドは巧い。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 12:13:06)
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