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レビュー情報
家族と別れ、久しぶりに会う子供にすら見限られる、時代に取り残されたカウボーイ。別れた妻の思い出にしがみつき、徐々に戦争の傷を露にする相棒の男。途中参加の今で言うところのフリーターのマザコン男。自由で明るい国アメリカに潜む矛盾と挫折。常に現代社会に潜む病巣にメスをいれるアーサー・ミラー。その彼が妻モンローのために役を追加しアレンジしたのがこの作品。大人の美しい女。中身は純真無垢な少女。開けっぴろげで心優しく感情豊か。そのギャップから情緒不安定と見られる。その美貌ゆえに結婚離婚を繰り返す。不安定さが加速する。男たちがそれぞれに傷を抱えるように、彼女も傷を持つ。しかもその傷がモンロー本人が抱える傷と一致しているから演技も迫真をおびる。しかし美しい女の追加は物語をチグハグにし、視点もバラバラでまとまりのない作品にしてしまった。ただこのチグハグさ、まとまりの無さが妙に好き。このチグハグさがモンローその人とリンクしてしまっているからなのかもしれない。馬を捕らえるシーンの右往左往がこのチグハグさを助長しているようで印象に残った。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-18 15:54:12)
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