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レビュー情報
黒人差別の激しいアメリカ南部において、偏見を持たず弁護士という仕事をこなし、二人の子供たちとは常に正面から接し、諍いの避け方をさりげなく見せ(近所のおばあさんとのやりとり)、いざというときには誰よりもたのもしく子供たちを守る(狂犬のシーン)。まさに理想の父親がいる。子供たちが黒人たちの中に違和感なくまぎれて裁判を傍観する姿や、父と黒人被疑者が町の人たちに取り囲まれた際の子供たちの行動は、子供たちの理想的な成長と理想的な親子関係を見せている。そしてそのことによってさらに理想の父親を確固たるものとしている。当時としてはかなり繊細に扱われるべきテーマを含んだ社会派でありながら「理想の父親像」を前面に描くことで受け入れやすい作品となっている。個人的には理想的すぎに感じるけど、当時のアメリカ、ましてやハリウッドにしてみれば、これくらい完璧なヒーローでもいないと作る側も観る側も受け入れられなかったのかもしれない。 異常者として恐れられるブーの逸話は差別の根源を描いていると思われる。話さないからわからない、わからないから怖い、怖いから攻撃する、という人間の持つ弱さゆえの悪循環。「ナントカ(忘れた)という鳥は殺してもいい」、コレも偏見かもしれない、ということか、、。 いい「話し」だし、演出も巧みなんだけど、差別される側の悲壮感というか、人間のおぞましさというか、ダークな部分をあえてオブラートで包んだような描き方にちょっぴりの不満。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-01-19 15:27:23)(良:1票)
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