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主人公と主人公の彼女は耳が不自由です。凡作ならばそのことをまず説明するでしょう。彼等の家族や友人達が出てきて言葉で説明するでしょう。しかしこの作品ではそんな野暮なことはしません。サーフボードを抱えて歩く二人を見た友人はけして呼び止めずに石を投げる。それだけでわからせちゃう。あぁ、北野武はちゃんと映画を作ってるって思える瞬間です。 1回目のサーフィン大会でアナウンスを聞けなかったために出場できなかった主人公にふてくされたところがない。こんなことは聴覚障害者にとっては日常茶飯事だと言っている。と同時に彼等は孤独であり、諍いを避ける為にあえて孤独へと逃げていることを覗わせる。サーフィンを通して、仕事仲間のささえを描きながら、孤独から脱却してゆく主人公をカメラは静かに追っていく。彼女とのシーンでは言葉を交わせないゆえの勘違いが映されるが、それ以上に言葉が無くても通じ合えるということを描いてゆく。様々なことを静かな映像に語らせる。素晴らしい映画だと思います。悲しい結末なのになぜか癒されます。
【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-13 13:30:43)(良:4票)
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