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数多くのドラキュラ映画の中でダントツに怖い。というよりこれ以外はあまり怖くない。その怖さの要因にマックス・フォン・シュレックの容姿がまず上げられるのは言うまでもないが、その恐怖の容姿を纏った吸血鬼に人を襲わせて怖がらせるようなその場しのぎの恐怖演出などせず、ただ立っている、ただ歩いている、ただ向かいの窓からこちらを見ている、それ以外は想像させることで恐怖を駆り立てる。恐怖の想像を助長する影の演出が効いている。そして他の多くのドラキュラ映画は吸血鬼にスポットが当てられるが、この作品はこれほどの怖い容姿を有しているにも拘らず、人々の恐怖心にこそスポットが当てられる。町中が、国中が、死におびえ、窓を閉めて閉じこもる描写、運ばれる棺の列に見るその恐怖の現実性、ヨーロッパ人のペストの記憶とそれらを吸血鬼に結びつけるストーリー構成。怖い!そして巧い!と唸らされる一本。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-22 13:18:35)(良:1票)
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