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過去の事件の真相が今の事件を通して判明してゆくと同時に、母と娘の苦悩をも浮かび上がらせ、ラストに両方を開放させてしまうという素晴らしいストーリーなのだが、この苦悩の部分がけっこうヘビーなためか全体的に暗い。苦悩の根本は過去にあるのに過去のシーンよりも現代のシーンが暗く描かれているので余計にそう感じる。現代のシーンにおいての母のポンポンと出る憎まれ口に見られる痛快さがネガティブなイメージとうまく折り合っていて全体の暗い流れの中にユーモアを与えていたと思うので、この辺の痛快さをもっと強調してくれればもっとバランスのとれた娯楽映画になったような気がする。回想シーンへの導入部が実に解かりやすくストーリーに没頭できるのは良いのだが、その解かりやすいことに貢献しているだろう光の度合いの変化が妙にチープ感を出してしまっているような気もしないでもない。ストーリーもその見せ方もうまいなあと思うんだけど、先に書いたユーモアだとか画の重厚感だとか感情を盛り上げるための何かとか、ストーリーとは関係の無いところで細々としたものが欠けているという印象。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-08-21 13:30:30)
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