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《ネタバレ》 引越し荷物を積んで走るトラックを追いかける子供を走ったまま引っ張り上げるシーン。捕まえようとする母親と逃げる子供の部屋と廊下を真剣に追っかけあうシーン。ワンシーンワンカット撮影におけるこれらのシーンが実に躍動感に満ち溢れて素晴らしい。今回の相米の子供は少し大人びた小学生。両親が離れて暮らし始めるという、小学生の子供にとっては過酷な環境。そんな環境が子供を大人へとせかしてゆくかのよう。祭りの最中にそれは突然訪れる。親の意志を歪めてでも子の意志を見つめようとようやく思った橋の上の母の前で女への変調を迎えた娘。ここから相米ワールド全開。親が画面から消え去り幻想的な世界が次々と描き出され、彼女は『ションベンライダー』の河合美智子がそうしたように水の中へ入ってゆく。そこで出会う子供の自分。大人へと変わりゆく過程の葛藤を押さえ込み、自分に「オメデトウゴザイマス」と叫ぶシーンに感動。せっかくの美しい映像が涙でちゃんと見ることが出来ないではないか!とこちらも叫びたくなるくらいの感動。かなりいいです、この映画。
【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-24 15:20:12)(良:2票)
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