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《ネタバレ》 これがバロウズの世界観なのかどうかはバロウズの書籍を読んだことがないのでよく分からないが、クローネンバーグの世界観であることは間違いない。クローネンバーグは他の作品を見ても解かるとおり、虚構の世界の中から真理なり真実なりを見出そうとする作家であるから、バロウズのドラッグによる幻覚から産み落とされた虚構の世界に何かを見出そうとするのは自然な成り行きと言える。そこに有機物(昆虫)と無機物(タイプライター)の融合という気持ち悪いクローネンバーグ印が虚構の世界を彩る。虚実の境がはっきりしているのも彼の作品の特徴のひとつだと思うが、個人的にその親切はいらないと思うことが多々あり、これもそう。この映画で主人公の作家はモデルとなっているだろうバロウズが実際にそうしたように「実」の世界で妻を殺す。そして「虚」の世界でもう一度妻を殺す。妻殺しは事故なんかじゃなく動機ある殺人だったというお話ととれなくもない、こともない? もちろん映画内(虚構の世界)のお話である。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-05-09 15:48:27)(良:1票)
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