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役者に全てを委ねる(任せる)ジョン・カサヴェテスの原点となる作品はやはりというべきか即興映画だった。タイトルが示すとおり、根底には人種問題というアメリカの影があります。しかし描かれるのは兄の夢、弟の青春、妹の恋。けして人種問題を前面に出さない。迫害の場面があるわけでもなく、黒人蔑視の言葉があるわけでもない。三人の物語の背景として当たり前のように影が存在するだけ。その当たり前に存在するものを空気で見せる。三人の葛藤は特別なものではなく、誰もが持ち得る葛藤として描く。しかしやっぱり背景には影がしっかりと存在する。即興とは裏腹の綿密な計算がなされたであろう演出と即興ならではの生々しさが同居した素晴らしい作品です。
【R&A】さん 7点(2005-03-14 12:01:52)(良:2票)
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