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現在と過去、さらには虚実が入り乱れてゆく構成が面白い。不思議とややこしいとは思わなかった。過去である墓参りの回想シーンから現在のはずの姉のいる会社と携帯電話で繋がる弟のいる雪原シーンに戻ると、現在のシーン全てが虚構にまみれて見えてくる。もしかして現在は精神世界、あるいは死後の世界だったりするのかもとか思った。現実味を帯びているのは過去の場面ばかりだ。過去の窓から射しこむ眩しいくらいの光に対して現在の二つの場所には光が無い。一見オフィスでのやり取りは現実的に見えるようだが、三浦友和のすっとぼけたキャラは別の意味で現実離れしている。何もかも、本当に何もかもお見通しの課長なんているはずないのだ。なかなか味わい深いこの映画の中で唯一にして決定的にダメだと思ったのがヒロイン。色気ない。顔がキャラと合ってない。演技がぎこちない。そしてなにより美しくない(美人じゃないってことじゃなく)。ハダカがないことからも全て意図的なのだろうけど。
【R&A】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-02-25 17:03:39)
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