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浪人生の部屋は「文字」が張り巡らされたり、他の映画のタイトルが出てきたり、セックスシーンにジャンプカットがあったりと「ゴダールの洗礼を受けました」と臆面も無く宣言している映画ではあるけれども、その点に関してはだからどうなのよ、とも思ってしまう。実験にしては斬新さが無いし、面白いとも思えない。というかワクワクとかドキドキがない。ポルノとコメディとゴダールが絡み合った映画なんだけど、一番肝心な黒沢清がいないからだと思う。それでも全然ダメってこともなく、なぜ浪人生を救出しに行くのかを女二人の「これはいかん」「実にいかん」という言葉だけで納得させてしまう展開はかなりいい。笑ってしまった。笑うといえば、神田川での女同士の格闘の末の流されてゆくお母ちゃんも笑った。劇場用映画デビュー作にしてこの破綻ぶりというのが黒沢清らしいと言えばそう言えるかもしれない。
【R&A】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-06-11 13:35:54)
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