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コメディなんだけど生きていれば誰もが直面する「老い」というテーマに真正面から取り組んでいる。長く生きることにどんな意義があるのか。白寿の祝いの席で老いることの虚しさととみっともなさが映し出される。しかし死ぬ前に一花咲かせる「死に花」計画が老人たちを生き返らせる。いや、もともと若い人以上に活き活きとしていることは活き活きとしていない星野真里が見せている。「老人」に対する間違った概念がいわゆる老人らしい老人に変えてしまう世の中。ここに登場する老人たちは恋愛をし、セックスをし、悪さもする。たしかに体力は衰えるがバイアグラを飲まなくても成り行きにまかせましょうという人生経験から培われた若者にはない「余裕」を備えている。さらに負のイメージしか持ち得ない「痴呆」までも前向きに捉えるラストシーンが心打つ。個人的にはキャスティングに不満。老人問題を明るく描くためのものなのだろうが、青島幸夫は青島幸夫だし、谷啓はいつ「ガチョーン」とやってもおかしくないくらい谷啓だし。いっそシリアス老人をこの二人に、コメディ老人を俳優でやってくれたほうが面白そう。
【R&A】さん [DVD(邦画)] 5点(2006-07-26 16:51:56)
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