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《ネタバレ》 お千代と助教授の初対面以降、寅さんは瞬時にシフトチェンジして仲介役(引っかき回し役?)を務めるようになる。なるほど、中期以降に出てくるキューピッド系の話の源流はここにあったのか、と思いつつ、ラストはもちろんこの2人がくっついてハッピーエンドなんだろうな、と予想する。ところがまさかの逆プロポーズという剛速球が飛び出して、ここでのドラマの重さは、それまでの割とマイルドだった雰囲気との落差が大きすぎなのです。追い打ちでラストのとらやの談笑場面、もうここでのお千代の静かなるアクション(そして1人だけ笑っていないさくら)の突き抜け度は圧倒的です。そんなわけで、終盤入口までとその後の10分では、まるで別の作品のようでした。●マドンナ関係以外では、せっかく正反対の寅と助教授を掛け合わせていながら、そこにギャップや変化の表現があまりないのが惜しい。それと、とらや場面も、笑いが少ない(おいちゃんの電話場面は例外ですが)割には気まずく沈黙するシーンが多く、ちょっと暗い感じ。●このシリーズではサブゲストにもこだわりがあることが多々ありますが、前半部分、わずか数分間の登場の田中絹代のインパクトも強力。ところで、この奥様の役は、別にビッグネームを当てなくても成り立ちます。そこにあえて絹代さんを持ってきたというのは、絹代さんこそが山田監督自身のマドンナだった、のかもしれません。
【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-06-13 00:32:17)(良:1票)
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