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後に『乱』でもシェイクスピアを取り上げた黒澤監督ですが、『乱』の元ネタである『リア王』が壮大この上無い戯曲であるのに対して、こちらは、緊迫感がこの上ない『マクベス』が元ネタ。例によって、舞台作品を思わせるカメラではあるのですが、動と静の対比など、映画らしい演出がキマってます。劇ではバーナムの森が動くシーンなんて表現できないしね。昔NHK教育でやってた、BBC製作の「シェイクスピア劇場」での『マクベス』よりも、この『蜘蛛巣城』の方がむしろ、原作の臭いがよく出てるんじゃないの、と思えた程。ま、そのくらい、強烈なイメージで編み上げられた映画です。『乱』もこの頃のパワーで作られてたらなあ、という気はします。それにしても山田五十鈴は怖い。
【鱗歌】さん 9点(2003-08-23 22:15:06)
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