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リドリー・スコットの『エイリアン』は、私の大好きな大好きな映画。それが、気が付けばヘンテコなシリーズと化し、幸か不幸か、我々はエイリアンの勇姿を長く目にすることになりました。第2作は「今度は戦争だ」と称し、もちろん戦争などではなく、実に健康的なドンパチ映画。確かに面白かったけど、「でもそうじゃないだろ」と、何か釈然としないものがありました。そこに現れたのが、エイリアンと坊主頭のシガ兄がにらめっこするシーンでお馴染みの第3作。そうそう、“エイリアン”ってやっぱり、こういう、不健康な感じの映画だよね、とやや納得。2作目からのつながりを敢えて拒否する姿勢も小気味よい。舞台も囚人ばかりのケームショ星、リプリーもたいして深い理由でもないのにあっさり丸坊主にしてしまい、色気のない独特の雰囲気。最後に立ち上がる囚人たちの姿はまさに、エイリアン映画というより、ほとんど蟹工船の世界。その根底に流るるは、抑圧とそこからの開放という思想的エロティシズムに他ならぬ。なかなか見事な変態映画になっているではありませんか(※さらに、CGエイリアンという新鮮さもあったけど・・・CG大氾濫の今、観直してみると、この点はかえってフツーの映画っぽく見えちゃいますね)。 さて本作に続く第4作は・・・・・・なんだこりゃ??
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-01-06 17:38:02)(良:1票) (笑:1票)
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