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敵の兵士はどいつもこいつも、血も涙も無く、だからジャンジャン殺して良い、というノリが、引っかかるというか、何となく後ろめたい気持ちには、なっちゃうんですけどね。実在の国における内乱をテーマにする以上、そこはどうしてもデリケートな問題となっちゃう。もっとも、本作がナイジェリア現代史のどのあたりを描いているつもりなのか、正直よくわからんのですけどね(この映画の頃のアフリカと言えば、コンゴ戦争という悲惨極まりない大戦が繰り広げられていた・・・などということを我々が報道で目にすることはなく、我々はアフリカについて相変わらず何も知らないのです)。
敵兵士の一人を見て「まだ子供じゃないか」などと戦国自衛隊の竜雷太みたいなコトを言うのが、さらに敵の狂信ぶり、非人間性を煽り立てるのですが、これとて双方、言い分がありそうな。 とか何とか、色々と後ろめたさはあるのですが、それを別にすると、なかなかに惹きつけられる作品ではあります。「別にすると」と言うより、一見そういう「一方的な勧善懲悪めいたもの」がありながら、ブルース・ウィリス演じる主人公の行動や決断には、それとは少しズレたところがあり、そのズレ具合が映画の推進力になってるように思われます。 何せ、場当たり的。 ナイジェリアにいる女医をヘリに乗せて国外に連れ出す、という作戦だったのに、女医の反対を受け、ヘリに乗せるのは怪我人・子供優先へとアッサリ方針転換。徒歩での国外脱出を図り、部下は危険に晒すわ、上官には叱られるわ、スパイ疑惑は発生するわ。作戦変更で救われる命もあれば、変更しても救われない命もあり、変更したせいで失われてしまう命もあるのだろうけれど、とにかくブルース・ウィリスは決断し、部下とともに行動する。部下は体を張り、戦いに命をかける。 敵の追跡、森の中の逃避行、そしてクライマックスにおける国境での死闘。主人公が勿体ぶってアレコレ悩み迷って見せなくとも、「迷路」のような森自体が「迷い」であり、森が開けて目の前に現れる国境ゲートがすなわちその迷いに対する「回答」であって、あとはもうその流れの中で、人間たちはただひたすら戦ってみせる、というアクションの純粋さ、そこが本作の魅力であるように感じます。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-11 18:03:44)(良:1票)
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