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これはいいですよ~。無法松と言うけれど乱暴なのは芝居小屋の大暴れくらい(升席でにんにくを煮るってすごい!)。それより
板妻の松五郎はまっすぐな正直もので、なによりなんともいえない愛嬌があってとても魅力的だった。へちょちょさんが言及しておられるのと同じく、時間の経過を美しい人力車の車輪の回転で見せたり放っておかれた車の客が後方でサイレント風に手足を振り回して怒っていたりするところ、祇園太鼓のバックシーンに波や雲などをはさんで豪快さを強調したり、回想場面のシュールなシーンなど随所に素晴らしい演出が見られるのに感嘆した。運動会での松五郎の走りなど演技はコミカルであったり、太鼓打ちや最初の喧嘩シーンなど様式的にも見えるのが面白い。確かに松五郎が未亡人に魅かれているという描写はなく、純粋に母子を支える無私のきっぷのいい男、というあたりの印象になっているのは話の膨らみに欠けるようで残念だが、それでも十分素晴らしかった。ラストの松五郎の残した貯金のエピソードには涙がこぼれる。 【キリコ】さん 9点(2004-03-20 20:07:43)(良:2票)
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