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『最高傑作』この一言で済ませてしまうのが本当に惜しいほど、衝撃的かつ傑作としか言い様のない作品。この映画が、ここまで質が高くなった理由は主に3つある。①映像 D・フィンチャー独特の映像美が、無残で猟奇的な殺人現場のムードと、映画自体の暗さを引き出しており、普通なら緊張しないような場面でも何故か緊張してしまう。 ②キャスト モーガン・フリーマンの演技もさすが。だけど自分は、どうしてもブラッド・ピットの演技に魅了されてしまう。特にラストの演技には、もう鳥肌がたった。彼がいなければ、映画にこれだけのボリュームを出せただろうか?答えを出すならばそれは勿論「NO」である。 ③衝撃の結末 見終わった後、あまりにも衝撃的な結末と、見る側の感情を逆撫でするような編集方法には、恐怖さえ覚えた。だけど、どうだろう?確かに後味は悪いかもしれないし、好き嫌いがハッキリと分かれると思う。でも、この様なアン・ハッピーエンドの映画こそ、傑作を生むのではないだろうか?「未来世紀ブラジル」「猿の惑星(‘68)」そしてこの「セブン」・・・・。どれも映画史に少しではあるが名を刻み、未だにその名を光輝かせている。それは何故なのかと言えば、ハリウッド映画が『どんなピンチに陥っても、最終的にはめでたしめでたしで終わる』という固定概念を、観客に知らず知らずの間に植え付けていたから。しかし、これらの映画はどうだろう?『最後は無事に解決させて終わる』という観客の予測を見事に打ち砕き、しかし観客の心にそのタイトルと内容をしっかりと刻み込んだから。そう、『ハリウッド映画=ハッピーエンド』という考えを、真正面から打ち砕いたのだ。鑑賞後の後味や、ハッピーエンドをどうしても大事にしたい人に、無理には勧めない。しかし、是非ともご覧になって欲しい一作である。
【ポール婆宝勉(わいけー)】さん 10点(2003-04-02 20:28:40)
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