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《ネタバレ》 検事も弁護人もそれぞれが真実と正義を求めているが、少ない状況証拠と仮説だけで事件のストーリーを作り上げている空々しさは否めない。陪審員たちは検察側と弁護側が作ったそれぞれのストーリーを聞き比べ、どちらのストーリーがもっともらしいかジャッジするわけだからなかなかキツい仕事だ。
「陪審員裁判には欠点もあるが、正義をもたらす最善の手段だ」と判事は断言する。揺れるであろう陪審員が下す判断に正当性を持たせ、導かれた評決が正義であると後押しする発言。 ここの十二人の陪審員たちは、映画「十二人の怒れる男」のごとく、ほぼ有罪で早急に評決を出そうとする。この人たちはあの映画を観たことあるのかな、なんて。 ただ「十二人の~」と違うのが、そのうちの一人陪審員2番ジャスティンと視聴者だけが知る第三の事実があるという事。だがその事実が事件の真実とは断定せず、またジャスティンが証言したところでそれこそ状況証拠の域を超えず、飲酒の有無や鹿の存在を証明することはかなり難しい。ここが本作の面白い所。当時の鹿が被害を訴え出たらかなり決定的なのだが。 人が人を裁く事の難しさ、更には自分の不利になる証言をする事の難しさ、自分ならそれが出来るだろうか、どちらも勇気が必要だと強く感じた。 女性検事フェイスは、DV被害女性救済を掲げ、この裁判に勝てば検事長選挙に当選というおまけも付いてきたが、ラストでは「真実は正義」という理念を捨てなかったのが、良かった。ジャスティンのその後も、前裁判の被告人にも、公正な審理が為されることを望みたい。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2025-04-14 15:41:03)★《更新》★
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