みなさん、さようなら(2003) の 小原一馬 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ミ行
 > みなさん、さようなら(2003)
 > 小原一馬さんのレビュー
みなさん、さようなら(2003) の 小原一馬 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 みなさん、さようなら(2003)
製作国カナダ,
上映時間99分
劇場公開日 2004-04-24
ジャンルドラマ,コメディ
レビュー情報
 この映画良かったですよ。こういう映画を「たそがれ」と較べるなんて意味ないし、オスカーにそれほどこだわらなくてもいいんじゃないでしょうか。そんなこと気にせずに見たら絶対面白い映画ですって。

 テーマは伊丹の「大病人」などと一緒で、「自分ならこう死にたい」というのが基本線にあります。そういうあまりに人類共通のテーマなだけに、一歩間違うと低俗なお涙頂戴か、説教くさいモラリスト的な内容になるところを、インテリの諧謔的笑いで上手に包み込んでいる。

 登場人物はみんな魅力的なんだけど、一番良かったのはやっぱり息子かな。
 これも「今までは対立していたが、死に行く父のために、最後の親孝行をする」というそれだけ聞いたらいかにも低俗なお涙頂戴になるところを、<無口で、一般的なモラルを気にしない、過激な行動力のある冷酷非情なビジネスマン>という枠をはめることによって、エスプリあふれる笑いに持っていっているところが見事です。僕は彼を見ていてずっとプーチンを思い出していました。
 ふつう、そういうプーチン的キャラを作ると、どこかでその冷たいスマイルの壁を壊し感情をあふれさせることで、そのギャップで物語を見せようという安易な路線に走るものですが、彼は最後の最後までほとんどそのままです。だからこそ、微妙な揺れがふっと走るだけで、すごく印象的になります。
 こういう「ずらし方」は、井上陽水なんかと近いものを感じますね。
(点数は、オスカーの逆影響に抗議して+1)
小原一馬さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-17 09:33:58)
小原一馬 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2017-03-26言の葉の庭8レビュー5.68点
秒速5センチメートル7レビュー6.19点
2017-03-17愛のむきだし3レビュー7.15点
2016-11-21ボビー・フィッシャーを探して8レビュー7.17点
2016-09-05レイダース/失われたアーク《聖櫃》6レビュー7.50点
2014-01-17ミート・ザ・ペアレンツ6レビュー5.57点
2013-08-06愛のメモリー6レビュー6.34点
2013-08-06SAYURI6レビュー6.60点
2013-03-26猟奇的な彼女9レビュー7.25点
2013-03-26舞台よりすてきな生活6レビュー6.00点
みなさん、さようなら(2003)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS