網走番外地(1965) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > 網走番外地(1965)
 > 鉄腕麗人さんのレビュー
網走番外地(1965) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
最新作での映画復帰で改めてその存在感が際立っている俳優「高倉健」。
そんな高倉健の映画が観たくなり、タイトルの認知はあったけど全く観たことがなかった「網走番外地」シリーズの第一作目の鑑賞に至った。

高倉健の主演映画は今まで何作か観てきたが、今作の高倉健は他の数多の作品と比べ「異色」と言えるのではないか。
いや「異色」というのはやや語弊があるかもしれない。もっと簡単な言い方をするならば、明らかに「若い」高倉健が観られる映画だと言っていい。

この映画の高倉健は、生来の優しい性根を垣間見せつつも、荒々しいまでにぶっきらぼうで、プライドが高く、若さ故の“愚かさ”を幾重にも積み重ねる。丹波哲郎じゃなくても、彼の言動に対しては思わず「大馬鹿!」と叫びたくなる。
現在に至るまでの主演映画の多くで、高倉健演じる主人公は、過去に何かしらの過ちや後悔を携えて生きている場合が多い。
そんな“彼ら”の若かりし日の姿こそ、この映画の高倉健そのものだと言われると、妙にしっくりとくる。

そんなことを考えてみると、映画俳優としてのフィルモグラフィー自体が、“高倉健”という日本が誇る俳優の“生き様”そのものに見えてくる。
長年に渡って活躍する俳優にとってフィルモグラフィーが人生の系譜であることは、ある意味当然のことかもしれない。しかし、高倉健ほどそこに人間としての厚みが備わり、現実と非現実の「境界」の見極めが困難な程にリンクしている俳優は居ないだろうと思う。

と、思わず映画の内容そっちのけで「高倉健」という俳優の存在感ばかりに目がいき、その名前を連呼せずにはいられない。
この映画は、稀代の映画俳優の「若さ」を剛胆に描きとった価値ある意欲作だ。
鉄腕麗人さん [DVD(邦画)] 8点(2012-11-06 00:27:04)
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-14映画『からかい上手の高木さん』6レビュー6.00点
名探偵コナン 紺青の拳2レビュー4.45点
2024-04-09デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]9レビュー7.50点
2024-03-31オッペンハイマー9レビュー6.38点
2024-03-24DUNE デューン/砂の惑星 PART27レビュー6.50点
2024-03-10アルキメデスの大戦8レビュー6.60点
2024-03-02アラジン(2019)7レビュー7.24点
2024-02-24マーベルズ6レビュー4.87点
2024-02-23別れる決心9レビュー8.66点
2024-02-12かがみの孤城6レビュー7.53点
網走番外地(1965)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS