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《ネタバレ》 キャベツ畑でお婆さんに拾われたトト。↓【オオカミ】さんの仰るように、本当にコウノトリが運んできて、一番愛されそうな人に拾われるよう、天の采配があったような設定ですね。トトは心根が優しく、お婆さんに託された幸運の白い鳩を使って、バラック住まいの人の願いをどんどん叶えていく。みんなバラック住まいでお金がないのはわかるけれど、立ち退きの危機に瀕しているというのに、個人個人の欲のための要求をする姿を見ているのは、とても辛かったですね。トト自体は、一人ひとりの願いをかなえてあげたくて、喜んでもらいたくて、ただひたすら願いを叶えてあげている。バラックの家に入らない、どでかい衣装タンスやシャンデリアをもらい、貴族もビックリというくらいのドレスを身にまとう……そういう一つひとつの物質が、彼ら個人にとっての“幸せの象徴”だったのかもしれませんが、ちょっと哀しくなってしまうのです。また、黒人男性と白人女性のカップルはそれぞれ、黒人→白人、白人→黒人へと変えてもらいます。トトが想いを寄せる少女は、やっと気持ちがほぐれて靴をねだりますが、片方しかもらえません。なんか、ちょっとチグハグなんですね。虚しいというか。そうそう、話は前後しますが、バラックの街が作られたばかりの頃、トトが少女に水をかけられて彼女が怒られるシーンがありましたよね。そこでトトが自分から水をかぶり「水をかぶるのが好きなんです」と言います。そこで感動したのですが、その後少女が感謝の気持ちに、もう一度トトに水をかけるのです。水は遠い水くみ場まで行かなくては手に入らない貴重品なのに、それをかけることは最大の感謝の現れなんでしょう。しかし、トトは水をかぶるのが好きなんじゃなくって、彼女が怒られないようにしてあげたかっただけ。あああ、チグハグなんですよぉーー。なんだかやりきれなくなってしまいますね。最後、結局バラックは追われてしまいますが、どこか幸せな場所に移動できると信じたいのですが……どうも、そう簡単に幸せにはさせてくれないような……そんな気がしてしょうがないのです。
【元みかん】さん 7点(2004-02-12 12:03:09)(良:2票)
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