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《ネタバレ》 斬首されるチャールズ1世役は、アレック・ギネスでした。
STAR WARS の時よりも少し若かったですね。 映画を観た後、「イギリス史」(山川出版)の当該箇所を 読んでみました。 清教徒革命(ピューリタン革命)は、中学の教科書では市民 革命として、教えられるんですが、まあ確かに市民革命では あるんですが、フランス革命のような典型的なブルジョア革命 とは言えないモメントもありますね。 つまり、国王側=封建勢力 対 議会側=ブルジョアジー とは、そう単純にはきれいに分かれてはいないということです。 ジェントリー階層=地主階層のうち、産業ブルジョアジーを も兼ねていた層は、比較的多く議会側に加担し、議会側とは いっても貴族も多く参加していました。 つまり、基本的には、封建勢力対ブルジョアジーなんですが、 同じ階級間での利害対立で、ブルジョアジーや貴族も双方に参加 していました。あと、地縁・血縁でのしがらみも大きかった ようです。 最も驚いたことは、クロムウェルはむしろ中間派で、つまり、 <封建勢力><ブルジョアジー><より低い階層:都市労働者や 商工業者やその子弟、都市浮浪者>という基本的には、3つの 階級間対立が基本的は対立モメントとなっています。 クロムウェルの議会軍の中には、何と200を越えるセクト が存在していました。クロムウェルは言わば、それとの同盟 関係にあったというべきのようです。 特に、レヴェラーズなどは、ほぼ男性普通選挙を要求して いました。クロムウェルはこれを激しく弾圧します。 他には、Diggers と呼ばれる、開墾した土地を共有しようと いう素朴な社会主義・共産主義のグループなど、何と200以上 のセクトの合同軍だった訳ですね。 例えば、日本の室町期の激動期特有の混乱と混乱ゆえのさま ざまなものが表に出てこようとする、そういう歴史のダイナミ ズムを感じます。 17世紀に於いて、早くもブルジョアジー=資本主義を超え 出るものが顔を現し始めたことも、一つの歴史的事実ですね。 あと、クロムウェルは、アイルランドを壊滅的に侵略し、 部下にその土地を与えるなど、アイルランド人民にとって歴史 上最悪の残虐行為をはたらきました。 明治維新後の日本が朝鮮などを侵略していくことを彷彿と させますね。 【妹之山商店街】さん 5点(2003-11-01 23:16:38)
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