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《ネタバレ》 …とにかくシャーリーズ・セロンにやられたわ。 アタシは個人的に「美人女優が美しさをかなぐり捨てて」ってこと自体を評価するつもりはあんまりないんだけど、昔はバレリーナを目指していたというシャーリーズ・セロンが、自分とはまったく違う境遇のアイリーンをここまで完璧に演じきったということは、そんな表面的な話題性をさしひいて考えたとしても十分評価に値すると思うわ。 バス停でセルビーに涙ながらに横隔膜痙攣させてまで伝えたあの言葉はもはや演技を超越してたし、アカデミー賞は納得よね。 内容については…これが実話だってとこがまたやるせないっていうか…殺人はいかなる理由があろうとも許されるものではないし、アイリーンの行為には同情しちゃいけないんだろうけど…13歳から客をとってて、おそらくその頃から精神的に成長できていないアイリーンが、セルビーとの出会いを経て、この最悪の状況から抜け出そうと彼女なりに必死でもがくのに、世間の人々が一切助けの手を差し伸べないどころか、むしろ蹴落とさんばかりだってのが…ほんとに切ないわ。 たとえば、もしもあの職業安定所(なのかしら?)の受付の黒人女性がもう少し彼女の話を親身に聞いてあげて、工場での仕事の一つでも世話してたとしたら、アイリーンの人生はまったく違うものになっていたかもしれないわけで…あの黒人女性が(感じは相当悪かったにせよ)なにか特別悪いことをしたわけではないんだけど、なんだかとっても罪深い気がして…いつ誰がどんな精神状態にあるかなんてわからないから、アタシもできるだけみんなにいつでも誠意を持って接するようにして、万が一アイリーンのような人がアタシの周りにいたとしても、助けてはあげられないにしろ、せめて気づかないうちに突き落としてしまうことのないようにしたいと心から思ったわ。 …ほかにもアイリーンとセルビーの関係のこととか売春や幼児虐待のこととか、映画が終わったあとずっと一人で悶々と考えてたんだけど、全部書いてたら本になりそうなんでこの辺でやめとくわ。 それにしても、わざわざ映画館まで行った甲斐があったわ。 重かったけど見て本当によかった、心の底からそう思うわ。
【梅桃】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-10-15 23:11:26)(良:5票)
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