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《ネタバレ》 映画会社の方々、どうやら少女マンガの実写映画化、魔法が切れかかっているようですよ。渋谷の映画館を埋めた女子高生の皆さんの反応が、『ヒロイン失格』の頃と明らかに違うんですよね。あの頃はなんだかんだ言ったって、みんな映画を正面から楽しんでました。だけどこの映画に送られているのは失笑とか冷笑とか、そういうネガティブな笑い。ヒロインが窓から落ちそうになるシーンでみんな大爆笑、それって意図してる事とは違いますよね?
少女マンガの定石をピース化して、それをどんどん繋げたような状態は、原作がそうである、って事なのでしょう。どっかで見た展開がひたすら連なっているばかりで、何か新しい楽しさを提供してくれる事はありません(ベッドでの写真を撮られて、ってパターンだけでも映画で見るの3回目です)。コメディかと思ったら大半がドロドロした、あるいはグチャグチャしたドラマで。それにしても、それを面白く見せる方法というのはある筈です。でもこの映画、とてもハンパなんですよね。 冒頭から人物説明が文字でバーン!って出てくるバカっぽさ、でも、だったらそのバカっぽさで徹底しちゃえばいいと思うんですけど、それ冒頭だけ。沙絵(勿体ない永野芽郁の使い方のサンプル例)の白目剥き出し怒りっぷりも、もっとパターン化しちゃえばいいだろうに、使い方ハンパ。ももの変顔も、とーじの朴念仁っぷりも、カイリのチャラさも、ドラマに引っ張られました、って感じで全部ハンパ。そういうところを全部徹底的にやって、例え失敗してクソ映画扱いされたとしても、こんなハンパなモノよりはナンボか清々しいんじゃないか、って。 湘南の海を背景にしつつ、それを活かせてない作りとか(日常そこにある海と、そこから離れたクライマックスの海とでは世界が違ってくる筈ですが、その差異を描く事は特にしていたりはしないですね)、曇天が多いロケとか(晴天待ちできるほどのスケジュールは無し、と)、山本美月の顔をキチンと見せられてないカットが多数だとか(テレビのバラエティ番組に出てる彼女の方が美人に見えるっていう)、最初からそこそこなところで作られてるように見えてしまうんですよね。もう状況が出来上がっていて、それが文字で解説される冒頭から、映像による説明を放棄しちゃってるようなものですし。 評価できるところと言えば、カイリのヒロインっぷりですかねぇ。伊野尾慧は山本美月よりもよっぽどヒロインでした、っていう。だったら山本美月をもっと男前に撮れば良かったのにねぇ。 実は私はこのジャンルの映画が好きなんですが(さんざん色々レビューしてきて、今更ちっとも「実は」じゃないですか)、原作のネタ切れよりも深刻なのは映画に魔法をかける力が弱まってきている事な気がします。少女マンガを信じていないと魔法は使えないのよ・・・ 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 5点(2017-05-23 22:25:46)
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