人生劇場 飛車角 の イニシャルK さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 人生劇場 飛車角
 > イニシャルKさんのレビュー
人生劇場 飛車角 の イニシャルK さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 人生劇場 飛車角
製作国
上映時間94分
劇場公開日 1963-03-16
ジャンルアクション,ドラマ,シリーズもの,ヤクザ・マフィア,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 以前に永島敏行主演の同じ原作の映画は見ているが、やはり飛車角を主人公にしている本作のほうが面白いし、東映がその後、任侠映画で一世を風靡することになるその原点の映画であることにも感慨深さを感じる。沢島忠監督は錦之助や美空ひばり主演の明るい時代劇の印象が強いので、見る前はどうかなと思う部分もあったが、こういう題材でもそつなくこなしていて安心して見ていられる。本作から既にのちのパターンは出来上がっている感じだが、東映最初の任侠映画であることもあってか、まだその色は全面には出ず、どちらかと言えば文芸メロドラマのような感じ(沢島監督もメロドラマのつもりでやっていたと語っている。)で、東映任侠映画を見慣れていると、物足りなさも多少あるかもしれないが、その分、見やすさもあり、また格調の高い作品に仕上がっている。飛車角を演じる鶴田浩二はもちろんカッコイイのだが、月形龍之助演じる吉良常がそれを上回る存在感を放っており、カッコよさも飛車角以上で、この前見た「組織暴力」での悪役も印象的だったが、一線を退いた老客という設定が晩年の月形龍之助本人と被るところもあるのか、この映画の吉良常に月形龍之助というのはピッタリな気がした。宮川(高倉健)がおとよ(佐久間良子)に無理やり抱き着くシーンでは宮川を演じるのが、まだ本格的にブレイクする前の高倉健というので、その後の高倉健のイメージからすると少し違和感を感じてしまうのは仕方のないところ。その宮川が単身殴り込んで殺されるという展開だが、高倉健が任侠映画でこういう役回りなのは逆に新鮮だった。で、この映画の一番の見どころは既に書かれている方もおられる通り、ラストシーン、思わず、ええ、ここで終わり・・・と思ってしまったが、止めるおとよを振り切って宮川の仇討に向かう飛車角をラストシーンにすることで、余韻がすごく残るし、沢島監督の言葉どおりに、ああ、なるほど、これはメロドラマだなと改めて感じることができる。一応、続編も見るつもりだが、あまりに素晴らしいラストだっただけに、果たしてどうか。いずれにせよ本作はこれから始まる東映の新しい時代の到来を告げるのにふさわしい傑作と言える一本だったことは間違いない。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2019-06-28 00:54:22)(良:1票)
イニシャルK さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-07仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE5レビュー5.00点
2024-11-03バトル・ロワイアル 特別編8レビュー6.18点
2024-09-15仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦20105レビュー4.20点
2024-07-28こんにちは、母さん7レビュー6.87点
2024-07-22沈黙のパレード6レビュー6.00点
2024-07-15映画ドラえもん のび太と空の理想郷8レビュー8.00点
2024-07-07真・仮面ライダー 序章(プロローグ) <OV>4レビュー4.00点
2024-06-30シン・ウルトラマン6レビュー6.29点
2024-06-09映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 20217レビュー6.60点
2024-05-30特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER<OV>6レビュー6.00点
人生劇場 飛車角のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS