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溝口健二についてこれまで言われてきたこと、たとえば新藤兼人による溝口健二論など、それらをいちどはずして、虚心坦懐に観るほうがいい。これなどもそうしてみれば、けっこう悪くない。戦時中「食べるために撮った」と溝口は述懐したという話だが、とはいえそこはミゾグチケンジ、溝口健二に器用にシャシンが撮れたとはとうてい思えない。刀の鍛冶のシーンなどは、おそらく役者をぎりぎりとしぼっただろうし、このシーンはなにやらサイレント時代のドイツ映画かスウェーデン映画をほうふつとさせるものがあって、結構でした。それに戦時末期とはいえ、撮影をはじめとして、スタッフの蓄積された技術をと十分感じさせるものがあって、そんなに悪くない。
【goro】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-08-28 09:37:45)
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