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《ネタバレ》 タイトルのイメージから地味で退屈かと敬遠していましたが、すごくいい作品でした。テーマはタイトルどおり「ルール」でしょう。十把一絡げにルールを定めても、それが全員にとって都合がいいとは限らない。ルールを破ることで誰かが救われるなら、喜んで破りましょうというのが孤児院の話。たまたま先日、米国の連邦最高裁は中絶を認めないという〝画期的〟な判決を出しましたが、ラーチ先生ような存在がますます求められることになりそうです。医師免許の偽造やレントゲン写真の件も人を救うためのルール破り。経緯を考えれば、心に沁みます。
それからサイダーハウスにも杓子定規なルールはありますが、季節労働者たちはハナから守る気がないし、そもそも読めない。では無法地帯かといえばそうではなく、真面目に働くし、商品を汚した者には烈火のごとく怒る。近親相姦という究極的なインモラルに対しても、ある種の〝自浄作用〟が働くわけで。それから主人公とヒロインとの不倫も、きれいすぎるほど跡形もなく決着。 このあたりは宗教観も関係するのかもしれませんが、誰かにルールを押しつけられなくても、人にはそれぞれ自分なりのルールがあって、いろいろ間違いを犯しても結局は「善」に戻るのだというメッセージとして受け止めました。見終わった後に温かい気持ちになれたのは、そのためかなと。 【眉山】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2022-07-03 23:16:19)(良:1票)
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