火火(ひび) の ヒロポン さんのクチコミ・感想

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火火(ひび) の ヒロポン さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 火火(ひび)
製作国
上映時間114分
劇場公開日 2005-01-22
ジャンルドラマ,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 求道者の激しさを表現したいのか、清貧の美徳を説く物語なのか、いやもしかしたら、骨髄バンクの紐付き映画かもしれないぞと、一瞬戸惑うところもあったが、それでも終わりまで淀み無く見せ切ってしまうのは、ひとえに田中裕子の演技力の賜である。「女性版ハードボイルドが作りたかった。」高橋伴明はそう言っている。この映画、確かにハードボイルドの真髄である「覚悟」を描いている。田中裕子という女優は「覚悟」を表現するのが上手で、その反面、時に冷酷さを感じさせる所のある人だが、高橋伴明の丁寧な演出がそれを救っている。例えば、結婚式に欠席したこと、孫の誕生に祝福の態度ひとつ見せない母親に対して、娘が苦言を呈した後の切り返しのシーン。清子は「この金をきれいにしてからものを言え!」と、これまでに娘にかけた全経費が記されたノートを眼の前に叩きつけて啖呵を切る。このシーン、これで終わっては、田中裕子のキツさだけが残るところだが、監督は次のような場面を繋ぐ。夕焼けの庭を、子守唄を謳いながら孫を負ぶって歩く清子の遠景。その姿を、軒下で寝そべりながら団扇を仰ぎ、ちょっと恨めしそうな目つきに見ている娘のカット。台詞はないが、全てをフォローしているのである。思わず巧いと唸ってしまった。
ヒロポンさん [DVD(邦画)] 8点(2006-07-24 12:49:54)(良:1票)
ヒロポン さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-11-30あ・うん5レビュー5.41点
駅 STATION7レビュー6.36点
2014-11-23紙の月5レビュー6.05点
2014-11-09ユー・ガット・メール9レビュー6.38点
2007-11-12グロリア(1980)8レビュー6.80点
2007-10-15武士の一分7レビュー5.98点
2006-12-22白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々8レビュー7.00点
2006-10-21ニライカナイからの手紙8レビュー5.84点
2006-07-24歓びを歌にのせて7レビュー6.75点
2006-07-24火火(ひび)8レビュー6.77点
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