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《ネタバレ》 正直あまり期待していなかったし、モンゴルの大草原を見るつもりで映画館へ行きました。それで正解だったところがちょっと悲しい。チンギス・ハーンの生涯は伝えられているかぎりまさにあんな流れだし、父子関係の齟齬をドラマにしてみせた点はおもしろかったと思います。けれど、モンゴル建国800年記念の映画としてふさわしいといえるのか?一部族の長が次々に他部族を配下におさめ、国を統一していくその課程を、想像をふくらませる余地がせっかくあるのだから、思い切った描き方をしてほしかった。だのに、脚本のセリフまわしと演技のつけ方は、戦国武将の時代劇そのまま。部族間の抗争は、いってみれば国盗り合戦みたいなものだけれど、それをそのままモンゴルに移し替えるのは、ねえ。武張った堅苦しい言葉づかいが、若々しさ猛々しさとアンバランスだし。もっとふつうの言葉でいいと思うですよ。騎馬のシーンはどの役者も相当訓練をしたとみえて様になってましたね。(馬を転ばすのはかわいそうだったけど。モンゴルの人は落馬を恥と考えるし)戦闘シーンの見応えもありました。ただ戦術的に、部隊があんな動きする必要があるの?緑の丘がどこまでも続く草原は、遠くの稜線がにじんで本当に美しかった。モンゴルの全面的な協力も得て人も馬も大量動員して作った映画のにもったいない。役者さんひとりひとりの存在感は悪くなかっただけに、惜しいです。
【藍色吐息】さん [映画館(邦画)] 4点(2007-03-29 20:44:36)
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