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「不条理」と単なる「理由がない」のはちょっと違う。「不条理」には理由はある。でもその理由が理由となるのが何故か周りの人に理解されないだけなのだ。たとえば、誰かを好きになることに究極的な理由はなくても、「本をたくさん読んでるところが好き」みたいな一時的な理由はありえるし、その理由が理由として機能することは多くの人の賛同を得られる。でも、人を殺した理由が「太陽がまぶしいから」では多くの人は納得がいかない。後者を「不条理」というわけだ。ゆえに、人殺しの理由が「むしゃくしゃしてた」というものだったら、それは「不条理」ではない。だから、この映画に出てくるいろんなシチュエーションは、世界が「不条理」に満ちていることを表現し世としているみたいなのだけど、残念なことに、この映画が言う「不条理」は本当の「不条理」ではないのだ。というわけで、テンションはいいのに深みのない作品になっていると思う。おしい。
【wunderlich】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-12-24 02:43:49)(良:1票)
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