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余分な説明を一切せずに突っ切る展開力、限られた空間と必要最低限の人物描写。どれも洗練されていて、典型的なハリウッド映画を予想してみた僕は衝撃を受けた。骨太なサスペンスを味わえる佳作である。それにしても、人間はなぜだまされると、恥ずかしくなるのだろうか。だまされたがゆえに、自分の素の姿をさらけ出してしまう。だからこそ、だまされると恥ずかしくなる。そういう説明は一見わかりやすい。でもそうであれば、だまされる前は、自分の素でない姿を相手に見せていることになる。素でない姿を見せるということは、広い意味での「だます」ことに他ならないのではないか。ならば、人間の大半の営みは「だます」ことに尽きているといってもいいだろう。ジュード・ロウのすばらしい演技、小説家のみごとな豪邸のセット、カット割りまでよくできた監視カメラなど、みどころの多い作品だった。
【wunderlich】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-09 23:24:59)
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