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画面枠自体の静けさと、画面の中のにぎやかさの対比が全てである。いろんな人が指摘するように、ストーリー的には『晩春』とかとほとんど変わんない。印象に残ったのは、長男夫妻のシーン(佐田啓二と岡田まり子)。フレームから人がでていくのを待ったく気にせず、フィックスのまま写しつづけるカメラ。岡田のぶどうの食べ方。小津は目がいい。長男夫妻のアパートが『秋日和』の原節子・司葉子親子のアパートと『お早う』の佐田啓二(売れない翻訳家)のやつとまったく一緒なのが面白い。妻に似ているママのいる(岸田今日子)バーで軍艦マーチにあわせて敬礼する姿が、小津の兵隊への暖かい気持ちを示していると見えた。戦争讃美とかではなく、一緒に騒いだ仲間への敬礼ではないか。軍隊は現代で言えば男子校とか大学みたいな意義も持っていたのだと気づかされる。
【wunderlich】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-21 16:18:43)
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