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この映画とすぐに結びつくのはニーチェの「永劫回帰」。ニーチェが言っていたのは、「まったく同じ(「似かよった」ではない)できごとが永遠に繰り返されているこの世を、肯定することができるか」ということだったと思う(うろ覚え)。この世がマジでおんなじことを繰り返してるのかは別にして、この映画に当てはめてみよう。「ひどい戦争が繰り返される世界に生きていて、しかも同じ争いが繰り返され、しかもそれを知る立場にいて(巧妙なことにこの立場は観客において初めて可能になる)、この世を肯定することができるか?」とこの映画は観客に言っていることになる。「それでも人生にイエスという!」という標語をドッかで聞いたことがあるけど、もう一回、いや永遠に同じ人生を生きると「知った」時にも同じこと言えますか? 劇中の人物が自身の人生を肯定できるかではなく、悲惨な争いが永遠に繰り返されるとラストに知らされた観客に人生への判断を迫るのがこの映画の主題なんだと思う。
【wunderlich】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-02-25 20:48:01)
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