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前半のレトロSF的な部分は、ひとつの世界観として斬新でよくできていると思ったが、後半の思想的な言説で畳みかける展開には閉口した。思想で人をひきつけるには、思想がある程度ラディカルさ、新しさを持っていることが絶対条件。しかし、この映画が吐き出している思想は、すでに多くの人にとってありきたりとしか思えない陳腐な内容だ。陳腐な思想の羅列は、くさくて長いお説教以外のなにものでもない。
「二人の愛」で救われるのは、たった二人だけであり、この「二人の愛」を守るために「男」は他人を殺していく。ラストのキスシーンが物語るのが、「二人の愛」ならば、その先にあるのは今までと変わらない殺戮の世界である。「二人の愛」では他人との争いを止めれない。だから「人間愛」だってさ。都合がいいんだから。 でも、伊勢谷友介の阿修羅顔と、要潤のSF的な顔立ちと、麻生久美子の女神っぷりには敬意を表す。 【wunderlich】さん 4点(2004-06-05 00:11:36)(良:3票)
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