PIGGY ピギー の タコ太(ぺいぺい) さんのクチコミ・感想

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PIGGY ピギー の タコ太(ぺいぺい) さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 PIGGY ピギー
製作国スペイン
上映時間99分
劇場公開日 2023-09-22
ジャンルドラマ,ホラー,サスペンス,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 思いのほか重苦しい作品でした。(ヒロインの体型のことではありません)

どこの国でもいつの時代でもイジメというものはあるでしょうし、体型でイジメるというのはイジメのひとつの定番でしょうね。まったくもって腹立たしい。それでも冒頭のイジメの雰囲気は、アルアルで流してもイイ程度と言えないこともないです。サラ、気にするな相手にするなと。ただ、プールでのイジメは完全に犯罪レベル。たまたまサラの泳ぎが達者(水没監視員には気付かないまでも)だったから良いようなもので(良くもないのですが)、場合によっては溺れますし、その場合にはあの少女たちはキャーキャー言う程度で着衣水泳してまで助けないでしょう。ホントに胸糞女子です。

だから、直後に男(この時点でサイコキラー確定)がいじめっ子たちを血塗れにして連れ去ってもサラは迷いつつも見なかったことにしても無理はないです。しかも男は恐ろし気ながらもタオルを置いていく優しさ?があるし。(この時点でサラに一目惚れ?)

そこから後にそれまでとは異質の重苦しさが始まりますね。学校では常時いじめられっ子、しかも自宅でも、厳しいようでいて極めて身勝手で感情に振り回されるタイプの母親による抑圧された日々を送る少女。そもそも鬱々として捌け口がないからお菓子ばっか食べて太ったんじゃないでしょうけれど、間違いなく日々の生活が彼女を肥大化させています。

そこから生まれる捻じれた心理。幼い頃はどんな子だったかは明かされませんが、父親との関係は良いようですし(父親が女房の尻に敷かれ切っているので今やほぼ意味なしですが)、弟はあんなもんでしょう。であれば、母親が彼女の性格を作り上げてしまったように思えるところです。その性格がベースにあるからこそ生まれた嘘。そこにイジメによって受け続けた心の傷が生み出した心理が重なって嘘が嘘を呼ぶ構図。可哀想と言えないこともないです。てか、自らが招いた悲劇のように見えてしまうことが可哀想に思えます。

ラストのスプラッター的ホラー描写は、そこに至るまでの心理描写が重過ぎてあまり衝撃的ではありませんでした。よくよく考えればあの男は何者?どうしてあんな行動をしていた?おそらくはプールで何らかのシンパシー(足に障害があることに関係があるのか?)を感じたこと(決してイジメへの同情ではない)でそれがサラへの好意に転じ、でも身勝手で表面的(自らの凶暴性のカモフラージュとしての疑似的な優しさに過ぎない?)故に破綻していくという感じなのでしょうけれど、まぁまぁ説明不足は否めないですね。

ノー天気で子どもじみたバイク少年に夢のタンデムで町に向かう血まみれのサラ。彼女は男を殺したことで心の何かが剥がれ落ちきっと全てを告白或いは供述するのでしょうね。生き残った二人のいじめっ子(決して後悔していないと思われる)も全てを語り尽くすことでしょう。サラとサラの家庭は何処に向かって行くのか?最後の最後まで重苦しいままのドラマでした。ホラーじゃないかも。

ちなみに、元ネタの短編は現時点では配信されていないようです。短編はいじめっ子たちが拉致されるまで。長編化で随分と重みが加わりましたね。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-03-29 12:53:20)《新規》
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