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夕暮れどき、真直ぐに伸びる一本道を父親が去っていくのを見送る少女。
夕陽を背にした彼女の影が長く伸びている。 父親が小さな点となり、その姿が見えなくなるまで、 彼女は延々と立ちつくしながら何度も手を振る。 その何度か繰り返される小さな身振りと光の推移が、寡黙な時の流れを意識させる。 ラストの宵闇の中を走る列車の望遠ショット。 薄暗い画面の中に列車の吐く白煙が拡がり、滲んでいく。 ショットの長さがそうさせるのか、それとも静寂ゆえか、 寡黙な本作の中でもこの二つのイメージは特に鮮烈で忘れ難い。 ポルトガル北部の山岳地帯。 機織りのリズムや、川遊び、寺院での祈祷など、 映される風土、風物、衣装はそれぞれ極めてローカルでありながら、 同時にその情景は時代と場所を超えた普遍のノスタルジーをもって迫ってくる。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-11 22:14:05)
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