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「楽しいムーミン一家」の劇場版。「彗星」はTVシリーズの前段の内容となるため、映画での公開となった。原作の挿画にかなり忠実なキャラクターデザインによりトーべ・ヤンソンのムーミン初期作品がスクリーンに描かれ、ムーミン一家と主要キャラ(スナフキン・スノーク・フローレン・へムレンさん)の出会いと冒険が語られる。本では「夏まつり」まで登場しないミイも、スニフとともにムーミントロールと彗星を追う旅に出る。小粒でもピリリと辛く、物事の本質を突いてみせるミイはのんびりしたムーミンワールドのスパイスとして不可欠なのだろう。自由な旅人スナフキンは何も所有しようとはしないが、立ち去る時に心にしまっておくことで「世界はみんなぼくのもの」なのだ。彼の人生観は「所有することが幸せ」と考えがちな通常の価値観を軽やかに覆してみせる。作画もすばらしいが余白を残したウォーターカラーの背景画が美しい。
【レイン】さん [映画館(吹替)] 7点(2006-01-31 19:00:12)
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