| 作品情報
レビュー情報
主演はサム・ニール。 夏の大作映画の主役としては非常に渋い人選だが、スピルバーグがハリウッド・スターでなしにオーストラリアの演技派を指名したのは、眼力のあるところを見せたと思う。 彼は「透明人間」でやってみせたように、実際にはないものをあるかのごとく見せることができる俳優だから。 ILMがPCとソフトを駆使して立ち上がらせたブラキオサウルスに彼とローラ・ダーンが命を吹き込み、CGとスタン・ウィンストンのフルスケール・モデルによるT-レックスが大地を闊歩し咆哮する。 草原をガリミムスの群れが駆け抜け、小学生時代ゴビ砂漠で発見された恐竜の化石や卵についての本を読んでいた時には想像だにしなかった光景が広がる。 ヴェロキラプトルが天井からぶら下がるレックスに飛びかかる場面は、CGの恐竜と子役の顔をはめ込んだスタントを合成して、センスある視覚効果の見本ともいうべきフッテージになっている。 ジョン・ウィリアムズの二つの主旋律が並びたつテーマ曲も、彼の数多い名スコアの中でも純粋に楽曲として聴いた場合、一番秀でているのではないかと思うほどの出来。 行き過ぎた遺伝子操作への警句も含みつつ、優れたエンターテイメントでもあるのだ。 子供嫌いだったグラント博士がこの冒険でその苦手意識を克服し、エリーと子供を持つことを予感させているのもいい結びであると思う。
【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-18 01:58:30)
レイン さんの 最近のクチコミ・感想
|