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ロジャー・ボンド最高作はそれまでの総集編的な内容の濃さ。冒頭のスキー・スタント~オープニングの流れ、器械体操をモチーフにしたタイトルバックはそれ以前の濃厚なイメージより軽快で洗練されたもの。ジョン・バリーに代わって音楽を担当したマーヴィン・ハムリッシュのテーマ曲‘Nobody does it better’(カーリー・サイモン)は「貴男が最高」という歌だが、彼の「コーラスライン」の‘One’(彼女は№1)と対をなしており、エンディングではあの曲を思わせるミュージカル・アレンジが聴ける。シーンごとに5台が使われているロータス・エスプリはアストン・マーチンにはない優雅さ、黒がにあうバーバラ・バックはタキシードのロジャーと相性がよくベタつかない辛口の関係。リチャード「ジョーズ」キールは「鋼鉄の歯」で痛い思いをしたようだが、その甲斐あるユニークで強力な悪役。軽妙なユーモアをたたえるロジャー・ムーアは最もなじみあるボンド俳優かもしれない。
【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-10-30 00:00:02)
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