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この国でパブリック・ドメインになった「トムとジェリー」。彼らの魅力をあげつらっても枚挙にいとまがないが、一番重要なのはファンが彼らに古い友だちのような親しみを抱いていることではないかと思う。これが他の米国アニメーションと彼らを画する点でもある。多くの傑作をもつハンナ&バーベラ版の7本あるアカデミー賞受賞作のうちの1本で、トーマス・キャットもはえある栄誉にふさわしいフォーマルな装いであり、アーティストらしい物憂げな表情もこの作品でしか見られぬものだ。音楽会ものは「星空の音楽会」(トムがすべての楽器を演奏する)もあるが、この作品はピアノだけに焦点をあて、内部構造を含めこの楽器の魅力をも十分に引き出している。トムのアニメならではの奏法も見所。ジェリー・マウスが例によってご都合主義的にピアノ内に居住しており(洗濯物や家具でそれと察せられる)、トムの演奏によって心地よい眠りから起こされた彼がハンガリー狂詩曲(途中でアレンジが加えられている)にのってトムとの攻防を繰り広げるが、ラストはご存知のとおり。
【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-17 02:22:16)
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